文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2022 Clinical Dermatology 2022
5.皮膚科医のための臨床トピックス
文献概要
summary
デニロイキン ジフチトクスは,再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma:PTCL),再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫(cutaneous T-cell lymphoma:CTCL)を効能効果として,2021年3月に本邦で承認された新規治療薬である.インターロイキン-2(interleukin-2:IL-2)とジフテリア毒素の部分配列からなる融合蛋白質であり,腫瘍細胞表面上のIL-2受容体と結合し細胞内に取り込まれ,細胞内に移行したジフテリア毒素断片が蛋白質合成を阻害し,殺腫瘍細胞効果を発揮する.本邦での第II相試験では,全奏効率はPTCLで41%,CTCLで31%(菌状息肉症で42%)であり,高親和性のIL-2受容体を構成するCD25の発現の高い症例で有効性が高い傾向があった.注意すべき副作用として,capillary leak syndromeがあり,投与中はしっかりとしたモニタリングが必要だが,難治性CTCLに対する治療の選択肢の1つとして有用と考えられる.
デニロイキン ジフチトクスは,再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma:PTCL),再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫(cutaneous T-cell lymphoma:CTCL)を効能効果として,2021年3月に本邦で承認された新規治療薬である.インターロイキン-2(interleukin-2:IL-2)とジフテリア毒素の部分配列からなる融合蛋白質であり,腫瘍細胞表面上のIL-2受容体と結合し細胞内に取り込まれ,細胞内に移行したジフテリア毒素断片が蛋白質合成を阻害し,殺腫瘍細胞効果を発揮する.本邦での第II相試験では,全奏効率はPTCLで41%,CTCLで31%(菌状息肉症で42%)であり,高親和性のIL-2受容体を構成するCD25の発現の高い症例で有効性が高い傾向があった.注意すべき副作用として,capillary leak syndromeがあり,投与中はしっかりとしたモニタリングが必要だが,難治性CTCLに対する治療の選択肢の1つとして有用と考えられる.
参考文献
1) Hémar A, et al:J Cell Biol 129:55, 1995
2) Kawai H, et al:Cancer Sci 112:2426, 2021
3) Talpur R, et al:J Invest Dermatol 126:575, 2006
4) 日本皮膚科学会皮膚リンパ腫治療安全性検討Working Group.日皮会誌 131:651, 2021
掲載誌情報