文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2022 Clinical Dermatology 2022
5.皮膚科医のための臨床トピックス
文献概要
summary
特発性後天性全身性無汗症(acquired idiopathic generalized anhidrosis:AIGA)とは,後天的に明確な原因なく発汗量が低下し,発汗異常以外の自律神経異常および神経学的異常を伴わない疾患と定義される.当院におけるAIGA患者数は年々増加傾向にあり,今回,AIGAの特徴,関連因子,治療法について当院の過去10年間のデータを解析した.研究対象は2010年3月〜2020年10月にAIGAと確定診断した109例について性別,発症年齢,関連因子など,またそれぞれの相関について統計的検討を行った.AIGAにおけるコリン性蕁麻疹合併などの関連因子の割合は既存の報告と同様の結果であったが,無治療期間が長いほど治療効果を得るためにステロイドパルスの回数が必要になること,ステロイドパルス療法の効果発現は治療後14日以内にみられることが多く,9割が1か月以内に効果がみられた.これらの新知見を得たので報告する.
特発性後天性全身性無汗症(acquired idiopathic generalized anhidrosis:AIGA)とは,後天的に明確な原因なく発汗量が低下し,発汗異常以外の自律神経異常および神経学的異常を伴わない疾患と定義される.当院におけるAIGA患者数は年々増加傾向にあり,今回,AIGAの特徴,関連因子,治療法について当院の過去10年間のデータを解析した.研究対象は2010年3月〜2020年10月にAIGAと確定診断した109例について性別,発症年齢,関連因子など,またそれぞれの相関について統計的検討を行った.AIGAにおけるコリン性蕁麻疹合併などの関連因子の割合は既存の報告と同様の結果であったが,無治療期間が長いほど治療効果を得るためにステロイドパルスの回数が必要になること,ステロイドパルス療法の効果発現は治療後14日以内にみられることが多く,9割が1か月以内に効果がみられた.これらの新知見を得たので報告する.
参考文献
1) 中里良彦,他:「特発性後天性全身性無汗症診療ガイドライン」作成委員会:自律神経 50:67, 2013
2) 柳下武士:日皮会誌 131:35, 2021
掲載誌情報