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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻6号

2022年05月発行

文献概要

症例報告

治療抵抗性の紅皮症を呈したthymoma-associated multiorgan autoimmunityの1例

著者: 勝田来未1 角田佳純1 山内周2 猿喰浩子1

所属機関: 1市立東大阪医療センター皮膚科 2市立東大阪医療センター病理診断科

ページ範囲:P.415 - P.419

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要約 60歳台,女性.関節リウマチに対して長期ステロイド内服中で,X−3年9月に胸腺腫瘍を指摘され,悪性と考えられたが慢性閉塞性肺疾患の合併もあり手術困難なため経過観察となっていた.X年7月より全身に瘙痒を伴う紅色丘疹が出現,全身に拡大傾向を認め紅皮症となった.薬疹を疑い被疑薬中止,ステロイド外用を行うも改善に乏しく,ステロイド内服増量にて緩徐に皮膚状態の改善が得られたが,漸減により部分的に症状が再燃し治療反応性は不良であった.内服薬のdrug-induced lymphocyte stimulation testはすべて陰性であり,病勢制御不良の胸腺腫があることと病理組織にて移植片対宿主病様所見を認めたことから,thymoma-associated multiorgan autoimmunity(TAMA)と診断した.胸腺腫に対する積極的治療は困難であり,初診3か月後に死亡された.TAMAは予後不良と考えられており,可能であれば胸腺腫に対して積極的に治療介入することが望まれるが,胸腺腫への積極的治療介入が困難な症例も多い.治療方針が確立しておらず,またこの疾患に対する皮膚科医の認識が十分ではなく,今後の症例の蓄積が望まれる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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