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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻6号

2022年05月発行

症例報告

Adnexal polyp of neonatal skinの2例

著者: 島田京香1 栗田昴幸1 岩渕千雅子1 日野治子1

所属機関: 1公益財団法人日産厚生会玉川病院皮膚科

ページ範囲:P.445 - P.449

文献概要

要約 生後4日男児の左乳輪内側,生後5日女児の左乳輪外側に,出生時より有茎性,正常皮膚色,弾性軟の小丘疹がそれぞれ単発していた.病理組織では表皮に変化はなく,真皮中央に未熟で小型の毛包,脂腺が存在した.間質には線維芽細胞および毛細血管が多数みられた.以上からadnexal polyp of neonatal skinと診断した.発生部位としては乳輪周囲が最も多く.臨床像は正常皮膚色のポリープ状丘疹と特徴的である.生後1週間以内に脱落することが多いため,新生児の約4%前後でみられるとされているが症例報告は少なく,背景・概念については不明な部分も多い.脱落する機序としては病理組織学的に血管内血栓の報告があり,流入血管の血栓により壊死に陥るとする説が有力とされている.新生児・乳児の乳輪周囲の腫瘍を見た場合は,本疾患を鑑別に挙げる必要がある.

参考文献

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8) Lázaro-Simó AI, et al:Int J Dermatol 58:1466, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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