icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻7号

2022年06月発行

文献概要

症例報告

足底,頭部と稀な部位に生じた皮膚線維腫の2例

著者: 今本聡美1 福屋泰子1 曽根明衣子1 吉田傑1 石黒直子1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.521 - P.526

文献購入ページに移動
要約 症例1:42歳,男性.既往に全身性エリテマトーデスあり.1年前に左足底に結節を自覚した.徐々に増大したため受診した.初診時,左足底に10mm大の紅褐色結節を1つ認め,全摘した.病理組織所見では真皮に比較的境界明瞭な腫瘍塊があり,線維芽細胞様細胞が束状に増殖していた.皮膚線維腫と診断した.症例2:83歳,男性.3週間前に右側頭部の結節に気付いた.右側頭部に7×5mm大で褐色調に隆起する小結節があり,全摘した.病理組織所見では真皮に好酸性の胞体を有する紡錘形もしくは多角形細胞からなる腫瘍塊を認めた.免疫染色で腫瘍細胞はfactor XIIIa陽性,多角形の細胞を中心に,CD68陽性であり,皮膚線維腫と診断した.当科で過去10年間に経験した皮膚線維腫113例について検討したが,頭部と足底の皮膚線維腫はそれぞれ1例のみで非常に稀であった.本症の発症部位として頭部と足底も認識すべきと考えた.

参考文献

1) 藤井翔太郎,他:日皮会誌 125:938, 2015
2) Wollina U, et al:Georgian Medical News 256-267:11, 2016
3) Gonzáles Vilas D, et al:J Cutan Pathol 36(Suppl 1):16, 2009
4) 根本大士,他:日呼外会誌 32:141, 2018
5) 谷口陽亮,他:皮膚臨床 56:936, 2014
6) 坂上陽彦,他:日形会誌 34:591, 2014
7) 桑代麻希,他:西日皮膚 75:561, 2014
8) 斎藤知子,他:西日皮膚 74:614, 2012
9) 小篠純一,他:皮膚病診療 28:849, 2006
10) 帖佐宣昭,他:日皮病理組織会誌 15:82, 1999
11) 木藤悠子,他:皮膚病診療 36:1049, 2014
12) 安本美奈子,他:皮膚臨床 45:659, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?