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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科76巻9号

2022年08月発行

文献概要

症例報告

ケロイド好発部位の表在型基底細胞癌に対しイミキモド5%クリーム外用を施行した2例

著者: 井関梢12 小熊玲奈2 川島秀介2 外川八英2 松江弘之2

所属機関: 1船橋市立医療センター皮膚科 2千葉大学大学院医学研究院皮膚科学

ページ範囲:P.733 - P.738

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要約 症例1:66歳,女性.胸部正中の褐色斑を伴う19×17mm大の円形紅斑.症例2:58歳,女性.胸部正中の16×17mm大の不整形褐色斑.ともに胸部正中表在型基底細胞癌と診断し,ケロイド好発部位であることから外科的治療に伴うケロイド形成の可能性を考慮しイミキモド5%クリームで加療を行った.日光角化症に対する加療スケジュールに準じて週3回隔日,4週間外用後に4週間休薬することを1クールとし,2クール外用して褐色斑が改善した.1例目は6か月後に再発を疑う褐色斑が出現したため再度イミキモドを同スケジュールで外用し,改善した.その後現在まで2例とも再発・ケロイド形成なく経過良好である.再発率を考慮した場合の治療方針の第一選択は手術であるが,ケロイド好発部位の表在型基底細胞癌には,整容面を考慮し,イミキモド外用が有用な治療手段となる可能性がある.

参考文献

1) 日本皮膚科学会ガイドライン,皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン,第3版,基底細胞癌診療ガイドライン,2021
2) 八田尚人:皮膚臨床 58:988, 2016
3) Bath-Hextall F, et al:Lancet Oncol 15:96, 2014
4) Jansen MHE, et al:J Invest Dermatol 138:527, 2018
5) 鈴木 琢,他:皮膚病診療 35:413, 2013
6) Park JY, et al:J Am Acad Dermatol 76:S55, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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