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雑誌目次

雑誌文献

臨床皮膚科77巻11号

2023年10月発行

雑誌目次

症例報告

血清TARC値が病勢と相関した抗ラミニンγ1類天疱瘡の1例

著者: 須藤晶 ,   大須賀裕子 ,   廣門未知子 ,   石井文人

ページ範囲:P.851 - P.856

要約 80歳,男性.四肢,体幹の浮腫,紅斑,水疱と粘膜疹が出現し,増悪したため当科を受診した.初診時四肢・体幹に浮腫性紅斑と直径30 mm大までの緊満性水疱,一部痂皮化したびらんを多数認め,陰囊,口唇にも浮腫と水疱,びらんを認めた.抗BP180抗体,抗BP230抗体陰性.蛍光抗体直接法で表皮基底膜部へのC3の線状沈着,1M食塩水剥離皮膚を基質とした蛍光抗体間接法で真皮側へのIgGの沈着,免疫ブロット法で200 kDa蛋白陽性を認めた.以上から,抗ラミニンγ1類天疱瘡と診断した.ステロイド全身投与で改善せず,二重膜濾過血漿交換,免疫グロブリン大量療法を要した.経過中に尋常性乾癬や悪性腫瘍の併発は認めなかった.本症例では血清TARC値が病勢と相関しており,血清TARCが病勢の評価に有用であることが示唆された.

ウステキヌマブ長期投与中に湿疹様皮疹を呈する逆説的反応が生じた尋常性乾癬の1例

著者: 鎌田啓文 ,   角田加奈子 ,   渡部大輔 ,   天野博雄

ページ範囲:P.857 - P.862

要約 58歳,女性.気管支喘息の既往あり.尋常性乾癬の治療のため,2014年2月よりインフリキシマブ(IFX)を導入したが2次無効となり,2017年2月よりウステキヌマブ(UST)に変更した.投与28週後にPASI(psoriasis area and severity index)クリアを達成した.しかし,UST導入3年9か月後に,頸部や腹部,前腕に瘙痒を伴い軽度鱗屑を付す紅斑が生じた.病理組織学的検査にて錯角化を伴う表皮肥厚,真皮血管周囲にリンパ球と好酸球浸潤がみられ,臨床・組織所見より湿疹様(eczematous)皮疹を呈した逆説的反応(paradoxical reaction : PR)(以下eczematous PR)と考えた.湿疹様皮疹を呈した例ではアトピー性皮膚炎の既往との関連も報告されている.自験例もアトピー素因を有していた.機序としては,生物学的製剤の投与によりTh1/Th17細胞系が抑制され,Th1/Th2細胞バランス不均衡が生じ,Th2/Th22細胞系の機能が亢進する可能性が考えられた.アトピー素因がeczematous PR発症の可能性を高めることも考えられ,生物学的製剤を投与時には,注意が必要と考えられた.

潰瘍を伴う板状浮腫性局面より診断されたサルコイドーシスの1例

著者: 小林英理 ,   安食さえ子 ,   栁澤健二 ,   髙橋博之

ページ範囲:P.863 - P.867

要約 73歳,女性.4年前から緑内障とぶどう膜炎,末梢神経障害で他院にて治療中だった.3年前から両下腿に紅斑が出現し右下腿に潰瘍を生じたため紹介受診した.浮腫性紅斑局面の生検で類上皮細胞肉芽腫が確認され,眼および神経症状を含めてサルコイドーシスと診断した.当初は外用薬で局所治療を行ったが,潰瘍が増悪したためプレドニゾロン(PSL)30 mg/日内服の全身投与に切り替えた.その後,徐々に潰瘍が縮小し7か月後には上皮化が得られた.PSLの漸減を行っているが,潰瘍の再燃はなく神経症状も改善した.自験例のような潰瘍型皮膚サルコイドは局所治療に抵抗する例が多いため,他臓器病変を伴う症例と同様にステロイド全身投与を積極的に検討する必要があると考えた.

不明熱を呈し紫斑から診断した抗好中球細胞質抗体陰性好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例

著者: 藤本麻記子 ,   松田和樹 ,   吉崎麻子 ,   吉崎歩 ,   佐藤伸一

ページ範囲:P.869 - P.873

要約 77歳,女性.気管支喘息,末梢血好酸球増多,神経因性膀胱,2型糖尿病,うつ病の既往がある.発熱を主訴に他科入院し,尿路感染症を疑われて抗菌薬を8日間投与したが解熱しなかった.その間に皮疹が出現したため,当科を紹介受診した.血液検査で抗好中球細胞質抗体は検出されなかったが,四肢体幹に浸潤を触れる紫斑を認め,皮膚生検で真皮浅層に好酸球浸潤を伴う白血球破砕性血管炎を認めた.既に多発単神経炎を発症しており,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と診断の上,メチルプレドニゾロン点滴,プレドニゾロン内服,シクロホスファミドパルス,免疫グロブリン大量静注で治療した.本疾患は不明熱の定義を満たし,皮膚科の介入が熱源特定の契機となった.不明熱の背景には本疾患をはじめ,皮疹の観察や皮膚生検が診断の鍵となる疾患が多く含まれるため,不明熱や本疾患の診療において生検をはじめとした検査の実施や迅速な治療の開始が望ましいと考えられた.

皮下腫瘍摘出術の抜糸後に遅発性の血腫を生じた血友病B患者の1例

著者: 南川洋平 ,   堀田恵理 ,   森田大貴 ,   後藤幸子

ページ範囲:P.875 - P.879

要約 29歳,男性.初診の数年前に左こめかみの皮下腫瘤を自覚した.徐々に増大してきたため,当科を受診した.初診時,左こめかみに約8 mm大の皮下腫瘤を認めた.術前の血液検査より,血友病Bと診断した.手術開始前に遺伝子組み換え第Ⅸ因子製剤を投与し,術後にトラネキサム酸を5日間投与した後,抜糸した.抜糸の約1週間後,岩盤浴に行った際に創部からの出血を自覚し,抜糸の約2週間後には15 mm大の血腫が出現した.血腫の除去,トラネキサム酸追加内服により約1週間で治癒した.自験例では,手術部位が顔面であったこと,岩盤浴による血管拡張,抜糸の時期,術前後の投薬や補充療法が少なかったことなどが出血を助長した可能性を考えた.血友病患者に対して顔面の皮膚・皮下腫瘍切除術を施行した際は,抜糸後も出血を助長するような行動を控える必要性や,術後1週間以降での抜糸,術前後の投薬や補充療法にも留意する必要があると考えた.

非典型的な臨床像を呈した血管肉腫の1例

著者: 桑原彩乃 ,   吉田憲司 ,   當麻秀信 ,   栗田昴幸 ,   石井健 ,   四宮茂 ,   並川健二郎 ,   石河晃

ページ範囲:P.881 - P.885

要約 72歳,女性.初診6か月前から頭部全体の凹凸と脱毛斑を自覚.初診1か月前から前額部の紅斑と浮腫が出現し,近医皮膚科より紹介受診となった.初診時前額部に6×3 cm大の強い浮腫性紅斑があり,押すとpitting edema様に圧痕を残して陥凹した.また頭頂部に皮膚硬化を伴う紅色局面が複数みられ,一部脱毛を伴う部位もあった.前額部と脱毛斑から皮膚生検を行い,いずれも異型内皮細胞で縁取られる不規則な脈管腔が多数みられ,真皮内には紡錘形の細胞が流れるように密に増生していた.免疫染色でD2-40とFactor Ⅷが陽性であり,血管肉腫と診断した.自験例は強い圧痕性浮腫を伴う紅斑が主病変であり臨床診断は困難であった.紫斑や結節を伴わない血管肉腫も存在しうることを念頭に置き,診断や治療介入が遅れてしまわないよう注意したい.また自験例のような特異な臨床像はリンパ管分化によると考えると理解しやすいが,推論の域を出ない.今後分子遺伝学的手法によって非典型的な臨床像が説明されるようになることを期待したい.

大型の出血性腫瘤を呈した頭部chronic expanding hematomaの1例

著者: 芝池由規 ,   佐久間敬宏 ,   有島英孝 ,   菊田健一郎

ページ範囲:P.887 - P.891

要約 74歳,男性.精神科病棟入院中に,出血を伴う大型(43×38×27 mm大)の左側頭部腫瘤を主訴に受診.腫瘤内容物の除去および被膜の切除を行った.病理組織検査にて腫瘤内容物は血腫と判明し,chronic expanding hematoma(CEH)と診断した.摘出腔は徐々に縮小し,術後6か月のフォローアップにて腫瘤は消失し再発は認められていない.頭皮の出血を伴った大型CEHの報告は渉猟しえた限り本例以外にはなかった.左側頭部への外力により皮下出血を生じ,その後血管に富んだ線維性被膜に覆われた血腫が形成され,血腫直下の頭蓋骨により増大方向に制限が生じたため,突出隆起しCEHを生じたものと推察された.頭皮に生じる腫瘤としてCEHは稀な疾患ではあるが,頭部外傷後に緩徐に増大する突出隆起した出血性腫瘤を認めた場合は,CEHも念頭に診断および外科的治療を行うことが重要である.

各種化学療法により生存期間延長が得られた進行期乳房外Paget病の1例

著者: 浦田和美 ,   梶原一亨 ,   鈴木健久 ,   栗山春香 ,   青井淳 ,   福島聡

ページ範囲:P.893 - P.898

要約 74歳,男性.初診5か月前より左鼠径部に紅斑および腫瘤を自覚し,当院を紹介され受診した.皮膚生検にて真皮までPaget細胞の浸潤を認め,PET/CTにて多発リンパ節転移および恥骨転移を認めた.切除不能乳房外Paget病に対して,1st lineとしてmonthly S-1/ドセタキセル療法を開始した.いったん腫瘍の縮小がみられたものの13クール終了後,転移リンパ節の増大を認めたため投与を中止した.2nd lineとしてbiweeklyゲムシタビン療法へ変更し,7クールの投与を継続した.3rd lineとしてエトポシド療法を約4か月,その後4th lineとしてタモキシフェン療法を7か月,5th lineとしてS-1単剤による加療を約1か月行った.進行期乳房外Paget病に対して有効性を示す標準的治療法はいまだ確立されていないが,各種化学療法施行によって,重篤な有害事象を伴わず,治療開始から39か月という生存期間延長が得られた.

Sweat-gland carcinoma with neuroendocrine differentiationの1例

著者: 今関梓 ,   丸裕吾 ,   松澤高光 ,   松江弘之

ページ範囲:P.899 - P.904

要約 80歳,男性.約1年前に腹部に紅色局面を自覚し,徐々に増大したため当科を受診した.右下腹部に30 mm大の不整に扁平隆起する紅色腫瘤があり,全摘術を施行した.病理組織像で真皮浅層から脂肪組織にかけて好塩基性の腫瘍胞巣を認めた.拡大像では,細顆粒状のクロマチンパターンを示す類円形核と,淡好酸性顆粒状胞体を有する異型細胞がみられた.免疫染色で,CK AE1/AE3,CK7,synaptophysin,estrogen receptor,progesterone receptor,GATA3,gross cystic disease fluid protein 15が陽性であった.他臓器に原発巣を疑う病変や転移の所見はみられず,sweat-gland carcinoma with neuroendocrine differentiationと診断した.本疾患は2022年に新たに提唱された疾患で,既報例は少なく,稀な症例と考えたため報告する.

温熱療法の併用が奏効したMycobacterium chelonaeによる非結核性抗酸菌症の1例

著者: 岡本修 ,   園田忠重 ,   横山佳代 ,   蒲池綾子 ,   宗元碩哲 ,   橋本裕之

ページ範囲:P.905 - P.910

要約 94歳,男性.2か月前に右手背に軽微な外傷を受傷し,1か月前から同部に紅色皮疹が出現した.初診時,手背に膿疱を伴う小結節が多発し,病理組織像は真皮内の膿瘍でZiehl-Neelsen染色陽性の桿菌が集塊を形成していた.組織培養でMycobacterium chelonaeが検出され,これによる非結核性抗酸菌症と診断した.抗菌薬内服を開始すると手背の皮疹はいったん潰瘍化した後に部分的に上皮化傾向を示し,小結節も消失した.しかしその後に患部に丘疹と膿疱が再燃したため温熱療法を追加した.追加1か月後に丘疹,膿疱は消失し,4か月後に潰瘍は上皮化した.過去の報告で温熱療法が無効と判断されたMycobacterium chelonae感染症症例は少ないため,本療法はMycobacterium chelonae感染の際に有効な補助的治療として意識してよいと思われた.

イヌ咬傷後に生じたMycobacterium chelonae皮膚感染症の1例

著者: 和田茜 ,   長谷川道子 ,   田村敦志

ページ範囲:P.911 - P.916

要約 82歳,女性.右第3指基部の背側に23×11 mmの弾性硬の淡紅色結節があり,生検で類上皮細胞肉芽腫を認めた.再生検による抗酸菌培養で迅速発育性抗酸菌を検出し,質量分析の結果,Mycobacterium chelonaeと同定した.詳細な問診により,発症の数週前に同部を飼い犬に噛まれていたことが判明した.クラリスロマイシンを7か月間投与後,縮小した病変を切除し,植皮した.イヌ・ネコ咬傷はパスツレラ症を引き起こすことで知られているが,稀に非結核性抗酸菌症の原因にもなる.医中誌Webで調べえた限り,本邦ではこれまでイヌ咬傷後のM. chelonae皮膚・軟部組織感染症が自験例を含め5例報告されているが,このうち4例では抗菌療法以外に切除などの外科的処置が併用されていた.咬傷部位の治癒が遷延する際には非結核性抗酸菌症も考慮に入れて積極的に抗酸菌培養を含む微生物学的検査を実施することが大切である.

Bartonella henselae抗体陽性から診断に至ったネコひっかき病の1例

著者: 島田京香 ,   岩渕千雅子 ,   日野治子 ,   大石陽子

ページ範囲:P.917 - P.920

要約 21歳,女性.初診2週間前に右腋窩の腫瘤に気づき来院.同部位に鶏卵大で,下床とは可動性のない弾性硬の皮下腫瘤を触知した.造影CT検査で右腋窩リンパ節が腫大し,結核性皮下膿瘍・悪性腫瘍のリンパ節転移などを疑い,リンパ節生検を施行した.病理組織所見では広範囲な膿瘍と類上皮細胞性肉芽腫がみられた.改めて問診で動物との接触歴を問うと,初診3か月前に地域ネコとの接触歴があることが判明した.血清学的検査でBartonella henselae IgGが256倍と上昇しており,ネコひっかき病の確定診断に至った.発熱などの全身症状を伴っていなかったため経過観察とした.ネコひっかき病は多彩な臨床像を呈し,確定診断には血清抗体測定が必要だが保険未収載で一般的ではなく,海外受注で時間を要するため,しばしば確定診断に苦慮することがある.自覚症状のない腋窩の腫瘤を主訴とする症例ではネコとの接触歴についての問診も重要である.

特発性細菌性腹膜炎を合併した急性膵炎後の皮下結節性脂肪壊死症の1例

著者: 天野友里恵 ,   桃原真理子 ,   竹内想 ,   河野通浩 ,   秋山真志 ,   倉田信彦 ,   植月康太

ページ範囲:P.921 - P.925

要約 50歳,女性.初診7か月前に自己免疫性肝炎による非代償性肝硬変と診断されていた.初診1週間前に生体肝移植を行うため入院,その翌日に上腹部痛が出現し,急性膵炎を発症した.抗菌薬治療で膵酵素は改善傾向になったが,採血上炎症反応の上昇を認め,特発性細菌性腹膜炎と診断された.数日後,両下腿に有痛性の皮下結節が多数出現した.病理組織像として脂肪細胞は“ghost-like cell”の形状を呈し,脂肪小葉は壊死に陥っており,皮下結節性脂肪壊死症と診断した.本疾患は膵疾患に合併することが知られているが,自験例のような感染症合併例においては皮膚症状から細菌の血行性播種による二次性脂肪織炎も鑑別に挙がる.臨床症状からだけでは確定診断は困難であり,皮膚生検検体の病理所見と組織培養が確定診断に重要である

マイオピニオン

コロナ禍で病院長になって

著者: 海老原全

ページ範囲:P.848 - P.849

 2020年3月31日,院長就任を翌日に控えた夜,わが家の電話が鳴りました.このような時間の電話はだいたい私の仕事関連の要件なのですが,その日退任したばかりの院長からでした.私どもの病院は大学と連携をとっている「関連病院」という位置付けの病院で,各診療科とも大学から数名の医師が派遣されてきています.その大学で新型コロナウイルス感染症(以降,コロナ)のクラスターが起こり,4月1日付けで着任予定になっていた医師が派遣できない,非常勤医師も当面出勤停止という内容でした.明日に備え早めに就寝しようとしていた矢先のカウンターパンチでした.翌4月1日は新しい入職者を集めての入職式やオリエンテーションなど,種々の行事が予定されていましたが,予定の変更などに追われることとなり,私の院長としての生活は慌ただしく始まり,今に至るまでの3年間,コロナに振り回される毎日となりました.
 私見ですが,院長職に就かれる方は外科,内科の先生が多いようにお見受けしていましたので,まさか皮膚科医の私がご指名に与るとは思ってもいませんでした.実際他の病院との院長会などに出席すると,外科系の院長のグループと内科系の院長のグループとに分かれ談笑されていることが多く,アウェイ感があることは否めません.実際,初めてお目に掛かる方からの「どのような経緯で院長に…」という疑問ありげな雰囲気を感じることもよくありました.

連載 Clinical Exercise・194

Q考えられる疾患は何か?

著者: 土橋人士

ページ範囲:P.845 - P.846

■症 例■
患 者:42歳,女性
主 訴:左上肢に多発する小結節
既往歴:子宮筋腫(計3回筋腫核出術施行歴あり)
家族歴:特記すべきことなし.
現病歴:20歳頃より左上腕伸側に自覚症状を欠く淡紅色小結節が出現し,緩徐に増数,増大した.
現 症:左上腕伸側を中心に前腕伸側まで,疼痛,瘙痒など自覚症状を欠く表面赤褐色,弾性硬の小結節が多発していた(図1a,b).

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目次

ページ範囲:P.841 - P.841

欧文目次

ページ範囲:P.843 - P.843

文献紹介

ページ範囲:P.862 - P.862

文献紹介

ページ範囲:P.898 - P.898

書評

ページ範囲:P.926 - P.926

次号予告

ページ範囲:P.928 - P.928

掲載論文の取り消しについて

ページ範囲:P.929 - P.929

あとがき

著者: 阿部理一郎

ページ範囲:P.932 - P.932

 先日,中国の学会に呼ばれて参加してきました.コロナ禍後初めての中国です.いつも感じるのは中国の方の優しい,時に少し過剰な(?)おもてなしの気持ちです.着くなり,昼ご飯はここに行く,その後ここに連れて行く,ディナーはなんとか料理だ,と休む暇もありません.観光はここでいいか,と容赦ないので,申し訳ないですが時々お断りするくらいです.話すことも大人の対応で,ネガティブでない日中交流の歴史の話題や,日本の社会の仕組みの話などです.どうしても日々流れるニュースを目にしていると中国にあまり良い感情を抱かないのは仕方のないことかもしれません.しかし,それは中国の方も一緒で,テレビでは日本のニュースが頻回に流れていました.ですが,私は,そして多分中国の友人も,国は国,人は人と,当たり前のことですがそう考えています.国の印象は結局その国の友人の印象なのでメディアを通さない印象を持つことが大事だと思います.

基本情報

臨床皮膚科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1324

印刷版ISSN 0021-4973

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