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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科77巻11号

2023年10月発行

文献概要

症例報告

潰瘍を伴う板状浮腫性局面より診断されたサルコイドーシスの1例

著者: 小林英理1 安食さえ子1 栁澤健二1 髙橋博之1

所属機関: 1JA北海道厚生連札幌厚生病院皮膚科

ページ範囲:P.863 - P.867

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要約 73歳,女性.4年前から緑内障とぶどう膜炎,末梢神経障害で他院にて治療中だった.3年前から両下腿に紅斑が出現し右下腿に潰瘍を生じたため紹介受診した.浮腫性紅斑局面の生検で類上皮細胞肉芽腫が確認され,眼および神経症状を含めてサルコイドーシスと診断した.当初は外用薬で局所治療を行ったが,潰瘍が増悪したためプレドニゾロン(PSL)30 mg/日内服の全身投与に切り替えた.その後,徐々に潰瘍が縮小し7か月後には上皮化が得られた.PSLの漸減を行っているが,潰瘍の再燃はなく神経症状も改善した.自験例のような潰瘍型皮膚サルコイドは局所治療に抵抗する例が多いため,他臓器病変を伴う症例と同様にステロイド全身投与を積極的に検討する必要があると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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