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症例報告
片側性の顔面皮疹を呈した抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の1例
著者: 森田裕介1 伊藤圭1
所属機関: 1JR札幌病院皮膚科
ページ範囲:P.957 - P.961
文献購入ページに移動要約 41歳,女性.初診1か月前に左顔面の発疹を生じ近医を受診した.丹毒の診断で抗菌薬内服が行われたが改善がないため当科を受診した.初診時,左眼瞼や左頰部に腫脹を伴う紅斑を認め,3週間後には手指にGottron徴候と逆Gottron徴候が出現,CT検査では間質性肺炎が確認され,抗MDA5抗体が陽性であることから,抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎と診断した.診断後はステロイドパルス療法やステロイド内服,タクロリムス内服,シクロホスファミド大量静注療法を行い,間質性肺炎は軽快したが,抗MDA5抗体価高値や顔面の皮疹は長期にわたり遷延した.抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎では間質性肺炎を高率に生じ,急速進行性間質性肺疾患の合併例では致死的経過をたどることがある.皮膚症状では片側性のヘリオトロープ疹が初発症状であることが多く,こうした特徴を把握することは本疾患の早期診断や治療のために重要である.
参考文献
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