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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科77巻13号

2023年12月発行

原著

当院で経験したスパイスアレルギー8例の臨床的検討

著者: 山田はるひ1 足立厚子1 竹内千尋1 永濱陽1 熊谷淳1 増田泰之1 佐々木一2 下浦真一3

所属機関: 1兵庫県立加古川医療センター皮膚科 2もと皮膚科 3しもうら皮膚科

ページ範囲:P.1038 - P.1047

文献概要

要約 当院で経験したスパイスアレルギー8例について詳細な病歴聴取と,疑わしい食材や花粉について,特異的IgEを測定し,食材そのもののプリックテストを行い,診断し,その臨床的特徴をまとめた.本邦既報告10例についても,自験8例と合わせてまとめ,本邦におけるスパイスアレルギーの特徴について検討した.その結果,女性に多く,特異的IgEでヨモギ花粉とブタクサ花粉の陽性率が高く,プリックテストは,セリ科スパイス陽性例が多く,ほとんどの症例の原因がカレーで,摂取60分以内にアナフィラキシーを示した症例が多かった.スパイスは,微量に食品に含まれる食材のため,診断までに長期間要した症例も多かった.スパイスは食品以外に化粧品等にも含まれ,経皮や経気道による感作や誘発にも注意が必要である.スパイスアレルギーを疑う個々の症例に対し,皮膚科医が適切に検査を行い,食事指導や生活指導を行うことは,重要であると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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