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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科77巻13号

2023年12月発行

症例報告

発疹性黄色腫の1例

著者: 須田文1 山田隆弘1 武藤正彦1 藤岡侑香2 竹田孔明2

所属機関: 1山口県立総合医療センター皮膚科 2山口県立総合医療センター内分泌内科

ページ範囲:P.1109 - P.1112

文献概要

要約 42歳,男性.初診2週前より体幹・四肢に瘙痒を伴う丘疹が出現したため当科を受診した.初診時,体幹・四肢に半米粒大〜小豆大の紅色調丘疹が多発していた.病理組織所見では真皮浅層に泡沫細胞を認め,発疹性黄色腫と診断した.2型糖尿病およびV型脂質異常症が判明し,インスリン療法とペマフィブラート内服を開始し3か月後には皮疹が軽快した.発疹性黄色腫は通常,血中トリグリセリド(TG)値が2,000 mg/dl以上のときに出現すると考えられている.TG 2,000 mg/dl以上の高度の脂質異常症を合併する糖尿病患者は少ないが,糖尿病に伴う脂質異常症の50%以上が高TG血症である.発疹性黄色腫患者の多くが糖尿病であり,Ⅴ型脂質異常症がその半数を占めることから,糖尿病に伴うV型脂質異常症は発疹性黄色腫のハイリスクと考えられ,早期治療の重要性が示唆された.

参考文献

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10)佐藤良博,他:皮膚病診療 23 : 501, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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