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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科77巻3号

2023年03月発行

文献概要

症例報告

オラパリブの関与が疑われた結節性紅斑様皮疹の1例

著者: 望月亮佐1 那須愛1 中村彩1 田井志正1 小倉香奈子1 長野徹1

所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院皮膚科

ページ範囲:P.201 - P.205

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要約 60歳,女性.卵巣癌に対し術後化学療法としてオラパリブ投与開始5日後に,両足関節に境界不明瞭な鶏卵大までの熱感を伴う紅斑が出現した.安静時にも疼痛を自覚するようになり当科を受診した.皮膚生検を施行し,脂肪小葉優位に脂肪小葉間隔壁〜小葉に好中球を少数混ずる炎症細胞浸潤を認め,結節性紅斑様皮疹と診断した.オラパリブによる薬剤性の発症を疑い投与中止し,皮疹は速やかに消退した.同剤内服を再開すると,皮疹の再燃を認めたが軽度であり,その後もPD判定となるまで5か月間投与継続できた.オラパリブはPARP(poly ADP-ribose polymerase)阻害薬の一種であり,2018年に承認された新薬である.同剤による結節性紅斑様皮疹は稀ではあるが報告があり,既報告症例,自験例ともにいずれも中止や減量で消退傾向を示し,かつ小用量であれば皮疹出現なく継続可能であったことから,用量依存性に皮疹が出現する傾向があり必ずしも投薬の中止が必要でない可能性が示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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