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増刊号特集 最近のトピックス2023 Clinical Dermatology 2023 1.最近話題の皮膚疾患
抗アンドロゲン薬による薬疹
著者: 小林香映1 渡辺秀晃2
所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学講座 2昭和大学横浜北部病院皮膚科
ページ範囲:P.32 - P.36
文献購入ページに移動近年の医学の進歩とともに,さまざまな抗悪性腫瘍薬が実臨床で使用できるようになった.一方で,皮膚有害薬物反応が多数明らかにされ,われわれ皮膚科医の果たす役割は今までより更に大きくなっている.最近,ホルモン療法として前立腺癌に使用される抗アンドロゲン薬による皮膚障害の報告が相次いでいる.アパルタミドは,経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬である.日本人を含む3つの臨床試験において,実薬群の25.1%に皮疹が発生し,特に日本人においては51.5%で皮膚障害がみられ,grade 3以上は14.7%であり,皮疹の発症頻度が高いということが判明した.発疹型は斑状丘疹状皮疹が最も多く,この3つの臨床試験において,日本人では皮膚障害の16.2%を占める.一方,転帰に関しては臨床試験の段階では,日本人を含め死亡に至った皮膚障害は認められなかったが,国内市販後,Stevens-Johnson症候群や中毒性表皮壊死症が散見される.
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