文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2023 Clinical Dermatology 2023
2.皮膚疾患の病態
文献概要
summary
ペリオスチンは皮膚では線維芽細胞などから産生される細胞外マトリックス蛋白質であり,細胞表面上のインテグリンを介して細胞内へのシグナル伝達に関わるマトリセルラー蛋白質でもある.病変部に沈着することで,アトピー性皮膚炎などの慢性アレルギー性炎症の持続・増悪に関わる.近年ではペリオスチンがかゆみに密接に関わっていることも判明した.その機序として,末梢感覚神経に発現しているインテグリンを介して直接かゆみを惹起する機序や,マクロファージ,好酸球,好塩基球などを刺激してさらなる起痒物質を放出させる,という間接的なかゆみ誘導機序が考えられている.現時点では,アトピー性皮膚炎,結節性痒疹,水疱性類天疱瘡,うっ滞性皮膚炎,疥癬などで,ペリオスチンがかゆみに関わっている可能性がある,と報告されている.
ペリオスチンは皮膚では線維芽細胞などから産生される細胞外マトリックス蛋白質であり,細胞表面上のインテグリンを介して細胞内へのシグナル伝達に関わるマトリセルラー蛋白質でもある.病変部に沈着することで,アトピー性皮膚炎などの慢性アレルギー性炎症の持続・増悪に関わる.近年ではペリオスチンがかゆみに密接に関わっていることも判明した.その機序として,末梢感覚神経に発現しているインテグリンを介して直接かゆみを惹起する機序や,マクロファージ,好酸球,好塩基球などを刺激してさらなる起痒物質を放出させる,という間接的なかゆみ誘導機序が考えられている.現時点では,アトピー性皮膚炎,結節性痒疹,水疱性類天疱瘡,うっ滞性皮膚炎,疥癬などで,ペリオスチンがかゆみに関わっている可能性がある,と報告されている.
参考文献
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