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増刊号特集 最近のトピックス2023 Clinical Dermatology 2023
2.皮膚疾患の病態
文献概要
summary
CDK4/6阻害薬は乳癌に対してすでに使用されている分子標的薬である.CDK4/6阻害薬であるアベマシクリブとパルボシクリブを用いて乳房外Paget病前臨床モデル(患者由来異種移植モデル)を治療したところ,どちらの薬剤も乳房外Paget病腫瘍の増大を抑制した.北海道大学皮膚科における臨床手術検体を用いた検討では,乳房外Paget病腫瘍細胞はCDK4発現が陽性であった.以上の実験結果・臨床検体を用いた解析結果から,CDK4/6阻害薬は乳房外Paget病に対して有効である可能性が示唆された.
CDK4/6阻害薬は乳癌に対してすでに使用されている分子標的薬である.CDK4/6阻害薬であるアベマシクリブとパルボシクリブを用いて乳房外Paget病前臨床モデル(患者由来異種移植モデル)を治療したところ,どちらの薬剤も乳房外Paget病腫瘍の増大を抑制した.北海道大学皮膚科における臨床手術検体を用いた検討では,乳房外Paget病腫瘍細胞はCDK4発現が陽性であった.以上の実験結果・臨床検体を用いた解析結果から,CDK4/6阻害薬は乳房外Paget病に対して有効である可能性が示唆された.
参考文献
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