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Derm.2023
不要不急?からの挑戦
著者: 武藤潤1
所属機関: 1愛媛大学大学院医学系研究科皮膚科学
ページ範囲:P.69 - P.69
文献購入ページに移動 コロナ禍もようやくひと段落つきそうな気配がしてきている.コロナ前は,すべての学会や会議はon-siteで行われており,いわゆる現地開催のみであった.当時にしてみれば,コロナウイルスが猛威を振るわなければということだが,それらのWEB化は不要不急の案件であったはずである.Zoom社は2011年に創業され,製品が出たのは2012年であり,米国の教育界からその目的で導入されていった.その後,Zoomはコロナ禍で驚異的な成長を遂げて,現在では世界中の人々に必要とされていることは周知のことである.研究においても同様で,必要至急?も大事だが,時には不要不急?な研究テーマに向かって尽力しbiologyの本質を一部でも解明できる幸運を待つのもアカデミアの醍醐味ではないかと実感している.われわれは,3次元培養皮膚シートの研究過程において,線維芽細胞のsenescence-like stateという大変興味深い現象を発見することができた(Muto J, et al : Commun Biol 6 : 13, 2023).この革新的な創傷治癒促進作用を有する新規真皮シートが,Zoomのように発展して,世界中の難治性皮膚潰瘍で苦しむ患者さんを幸福にできる再生医療用製品となってほしいと願っている.
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