文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2023 Clinical Dermatology 2023
4.皮膚疾患治療のポイント
ネモリズマブによるアトピー性皮膚炎のかゆみの治療
著者: 入江浩之1 中島沙恵子1 椛島健治1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学講座
ページ範囲:P.111 - P.116
文献概要
アトピー性皮膚炎の新規治療薬として抗interleukin(IL)-31受容体抗体であるネモリズマブが使用可能となった.アトピー性皮膚炎では,病変皮膚でIL-31が高発現しており,また血清IL-31濃度が皮膚炎の重症度と正の相関を示す.IL-31は感覚神経上のIL-31受容体に直接作用してかゆみを発生させる.ネモリズマブはこのIL-31シグナル伝達を特異的に阻害することでかゆみを抑制する薬剤であり,アトピー性皮膚炎のかゆみに特化した全く新しい抗体医薬である.ネモリズマブを適切に使用するためにはその特徴,使用法,注意すべき副作用を熟知する必要があり,実際の症例を交えて考察する.
参考文献
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