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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科77巻5号

2023年04月発行

文献概要

Derm.2023

職業病

著者: 石井良征1

所属機関: 1筑波大学医学医療系皮膚科

ページ範囲:P.145 - P.145

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 皮膚科診察時に,主訴以外の部位,つまり患者さんの訴えのないところに,皮膚病を見つけてしまうことがある.例えば,下腿の皮脂欠乏性湿疹のため受診されたおじいさんの顔を見て基底細胞癌(basal cell carcinoma : BCC)を見つける.足白癬で受診されたおばあさんの手に有棘細胞癌(squamous cell carcinoma : SCC)を見つける.仕事以外のときでも,発疹をみると,観察して診断などを考えてしまうことがあると思う.電車に乗っているとき,「この人には太田母斑があるけれど,レーザー治療はしないのかなあ」など.ここまでくると職業病と言ってもいいかもしれない.
 以前に家を建てる土地を探し中,不動産屋に入った.対面した不動産屋さんのおじさんの手背にBowen病と思われる病変を見つけてしまい,その日は紹介していただいた土地が気に入らず,退散することになったが,別れ際にその旨を話した.後日手術を受けられて軽快されたが,Bowen病であった.ご縁なのか,その不動産屋から違う土地を紹介していただき家を建て住んでいる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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