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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科77巻5号

2023年04月発行

増刊号特集 最近のトピックス2023 Clinical Dermatology 2023

5.皮膚科医のための臨床トピックス

口唇メラノーシスのダーモスコピー

著者: 石井貴之1 八田尚人1

所属機関: 1富山県立中央病院皮膚科

ページ範囲:P.157 - P.160

文献概要

summary
口唇の色素性病変の多くは良性の口唇メラノーシスであり,下口唇に好発し,単発ないし数個以内の色素斑を呈する.アトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患に伴う症例や稀にPeutz-Jeghers症候群・Laugier-Hunziker-Baran症候群などの色素異常症による多発病変も経験される.最も鑑別を要する疾患は悪性黒色腫だが,口唇のダーモスコピーにおける基本所見が生毛部と異なることから鑑別に苦慮することも多い.基本所見は網状・線状・均一・小点ないし小斑状パターンの4要素によって構成され,複数のパターンが同一病変に混在していることも多い.悪性黒色腫との鑑別には個々のパターンにおける濃淡不整や不均一分布の有無が有用である.また,whitish veilやregression structureを含めた白色病変やpepperingの所見は悪性黒色腫により多くみられる.

参考文献

1)Lin J, et al : Br J Dermatol 161 : 1255, 2009
2)中村泰大,齋藤晋太郎:Derma 281 : 109, 2019
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5)Hicks MJ, Flaitz CM : Oral Oncol 36 : 152, 2000
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7)Hajar-Serviansky T, et al : J Dermatol Case Rep 6 : 1, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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