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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻1号

2024年01月発行

文献概要

症例報告

胸腹部に多発する多彩な皮膚症状を呈した原発性皮膚びまん性大細胞型B細胞リンパ腫,下肢型の1例

著者: 吉田憲司1 小原芙美子1 河合匡子1 長瀬大輔2 石河晃1

所属機関: 1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森) 2東邦大学医学部内科学講座血液・腫瘍学分野(大森)

ページ範囲:P.49 - P.56

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要約 71歳,女性.初診2か月前から臍上方に瘙痒や疼痛のない発赤を伴う皮疹が出現し,1か月前から皮疹部に硬結と隆起を伴うようになった.同時期から,胸腹部には環状紅斑や境界明瞭な不整形紅斑も出現した.ステロイド内服・外用で改善ないため紹介受診した.紅色結節の病理組織では,大型異型リンパ球が真皮浅層から皮下脂肪織までびまん性に浸潤し,CD20陽性,bcl-2一部陽性,MUM-1陽性,bcl-6陽性,CD10陰性,MIB-1標識率80%以上であった.FDG-PET/CTで皮膚以外に原発巣がないことから,原発性皮膚びまん性大細胞型B細胞リンパ腫,下肢型と診断した.R-CHOP6クール施行で完全寛解となり,治療12か月経過した現在再発はない.本疾患の典型的臨床像は下肢の紅色結節・腫瘤であるが,自験例のように稀に進行性に多彩な皮膚症状を伴う場合があるため,ステロイド治療抵抗性の瘙痒や疼痛のない多彩な皮疹ではリンパ腫も念頭に置いた皮膚生検および免疫組織学的な検討が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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