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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻10号

2024年09月発行

原著

ホスラブコナゾール投与を完遂した爪白癬患者におけるエフィナコナゾール追加投与の臨床的意義

著者: 横井聡美1 岩田洋平1 岩田貴子2 田中義人3 齋藤健太4 杉浦一充1

所属機関: 1藤田医科大学医学部皮膚科学 2弥富通いわた皮ふ科クリニック 3タナカ皮膚科 4さいとう皮膚科

ページ範囲:P.722 - P.730

文献概要

要約 爪白癬治療薬ホスラブコナゾール(F-RVCZ)は12週間連続投与後の経過観察期間中に受診しない患者が約60%に及ぶとの報告があり,F-RVCZの転帰不明患者が多く存在する.本研究では,F-RVCZの経過観察期間中にエフィナコナゾール(EFCZ)の追加投与を行ったときの治療継続率と治癒率を後ろ向きに調査した.調査対象のEFCZ追加投与なしとありの爪白癬患者はそれぞれ107例と60例であった.36週間の経過観察を完了した患者割合の治療継続率(44.9% vs. 81.7%)および経過観察完了時点での治癒率(27.1% vs. 55.0%)ともに,追加投与ありの患者群で有意に高かった.副作用は,追加投与ありの患者2例で出現を認めた.F-RVCZの経過観察期間中にEFCZを追加投与することで,患者の治療継続率が向上し,F-RVCZ投与完遂後のより正確な転帰を確認できる臨床的意義が示された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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