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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻10号

2024年09月発行

臨床統計

鼻翼部基底細胞癌の切除後再建—局所皮弁の比較検討

著者: 片岡和也12 中村杏奈13 高塚純子1 竹之内辰也1

所属機関: 1新潟県立がんセンター新潟病院皮膚科 2富山大学大学院医学薬学研究部皮膚科学講座 3新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野

ページ範囲:P.785 - P.791

文献概要

要約 鼻翼部基底細胞癌の切除後再建には局所皮弁が用いられることが多いが,さまざまな術式があって選択に苦慮する.新潟県立がんセンターで局所皮弁再建を行った鼻翼部基底細胞癌68例を対象に,術後整容評価を主とした比較検討を行った.年齢中央値は76歳(47〜94歳)で,腫瘍径中央値は8 mm(2〜22 mm)であった.用いた皮弁は鼻唇溝横転皮弁が27例と最多で,らせん皮弁10例,V-Y前進皮弁8例,鮫型島状皮弁と頰部前進皮弁が6例ずつで次いでいた.皮膚科医4名で5段階評価した術後整容度では頰部前進皮弁(中央値4.7)とらせん皮弁(4.4)が優れ,鼻唇溝横転皮弁(3.3)が劣った.今回の結果から,鼻翼外側から上方の欠損には頰部前進皮弁と鮫型島状皮弁が,内側寄りの欠損にはらせん皮弁が,鼻孔縁付近の場合はV-Y前進皮弁が適していると考えた.各皮弁術式の特徴を踏まえた上での,目的や状況に応じた適切な選択が求められる.

参考文献

1)竹之内辰也:皮膚臨床 47 : 1633, 2005
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7)Mahlberg MJ, et al : Dermatol Surg 38 : 373, 2012
8)桃崎直也,他:皮膚臨床 51 : 159, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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