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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻11号

2024年10月発行

症例報告

ダーモスコピー所見が診断の一助となったaneurysmal fibrous histiocytomaの1例

著者: 石原麻衣子1 吉川真人1 井上優貴1 大見修也1 犬飼実紗子1

所属機関: 1日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院皮膚科

ページ範囲:P.861 - P.865

文献概要

要約 28歳,男性.初診の1年前より左大腿後面に圧痛を伴う結節が出現した.初診時,同部位に直径15 mmの暗赤色調結節を認めた.ダーモスコピーでは左右対称構造を認め,内部は赤紫色調の均一な領域を呈していた.また中央部には点状血管構造と,明るい白色調の構造を伴っていた.病理組織学的にも検討を行った上で,aneurysmal fibrous histiocytoma(AFH)と診断した.従来,AFHは視診のみで診断がつくことは少なく,免疫染色を施行し悪性腫瘍との鑑別を要するとされていた.しかし最近ではダーモスコピーで特徴的な所見を呈することが明らかになっており,視診のみでも診断を絞り込める可能性がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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