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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻2号

2024年02月発行

文献概要

症例報告

ダーマボンド®アドバンスドの2-オクチルシアノアクリレートによる接触皮膚炎症候群の1例

著者: 水野彩加12 欠田成人1 山中恵一3 杉山真理子45 松永佳世子45 田原麻衣子6 河上強志6

所属機関: 1済生会松阪総合病院皮膚科 2市立四日市病院皮膚科 3三重大学大学院医学系研究科皮膚科学 4藤田医科大学医学部アレルギー疾患対策医療学 5一般社団法人SSCI-Net 6国立医薬品食品衛生研究所

ページ範囲:P.106 - P.112

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要約 30歳台,女性.術創にダーマボンド®アドバンスド(DA)を使用した約1か月後より,使用部位に一致して米粒大の丘疹が集簇し,使用部位以外の軀幹四肢にも丘疹や浮腫性紅斑が出現した.製品(as is)と主成分である2-オクチルシアノアクリレートのオープンテストが陽性を示し,DAに含まれる2-オクチルシアノアクリレートによる接触皮膚炎症候群と診断した.アクリレート・メタクリレート関連化学物質のパッチテストはすべて陰性であった.ダーマボンド®シリーズによる接触皮膚炎は,特に初回使用例では発症時期が約1か月後と比較的遅く,また,接触皮膚炎症候群への進展例が多いのが特徴である.DAの術創への長期接触による感作や症状悪化の可能性から,可能な限り早期に除去することが重要と考えた.自験例では,DA以外に交差感作の可能性のある他のシアノアクリレート製品やアクリレート・メタクリレートの使用を避けるよう指導した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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