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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻2号

2024年02月発行

文献概要

症例報告

ヒドロキシクロロキン内服治療中に妊娠・出産した全身性エリテマトーデスの1例

著者: 小田俊輔1 椎谷千尋1 新川宏樹1 久保亮治1 末岡浩2 仁科直3 谷川瑛子1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科 2慶應義塾大学医学部産婦人科 3慶應義塾大学医学部リウマチ膠原病内科

ページ範囲:P.113 - P.118

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要約 31歳,女性.初診半年前より両頰部,耳介に紅斑が出現.白血球減少・低補体血症,抗核抗体・抗dsDNA抗体・抗Sm抗体上昇を認め,Systemic Lupus International Collaborating Clinicsの分類基準を満たし,病理所見とLupus band testと合わせ全身性エリテマトーデスと診断した.臓器病変はなく,ヒドロキシクロロキン(HCQ)200mgと400mgの隔日投与での内服を開始した.内服開始4週で臨床症状,抗体価は改善した.内服開始後に妊娠が判明.インフォームド・コンセントの後HCQ内服継続し,妊娠38週目に帝王切開で2,390gの女児を出産した.わずかに低出生体重であったが,産後3年経過し病勢悪化や子の成長障害を認めていない.全身性エリテマトーデスは妊娠することで増悪する可能性が高く,またHCQ中止により病勢が悪化し妊娠継続が困難になることがあるため,海外では妊娠中もHCQ内服の継続が推奨されている.内服継続によるメリット・デメリットを患者に十分に説明し理解と同意を得たうえで,HCQ継続使用を検討する必要がある.

参考文献

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18) 河野千慧,金子佳代子:内科 126:477, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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