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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻2号

2024年02月発行

文献概要

症例報告

免疫チェックポイント阻害薬使用中に生じデュピルマブが奏効した水疱性類天疱瘡の1例

著者: 近藤あきほ1 小野木裕梨1 渡邉直樹1

所属機関: 1公立陶生病院皮膚科

ページ範囲:P.125 - P.130

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要約 74歳,男性.7年前に右腎癌に対して腹腔鏡下摘出術を受けていた.2年前に右腎癌の再発および後腹膜播種とリンパ節転移が生じ,ニボルマブとイピリムマブの併用療法が開始となった.その後ニボルマブの単独療法に移行し増大なく経過していた.1年程前より全身に強い瘙痒を伴う紅斑が出現し当科を受診した.抗ヒスタミン薬内服とステロイド外用で一度症状は改善したが2022年6月頃より体幹と四肢に緊満性水疱が多発した.抗BP180抗体価の上昇があり,蛍光抗体直接法で基底膜にIgGとC3の沈着がみられたことから免疫チェックポイント阻害薬使用中に出現した水疱性類天疱瘡と診断した.ステロイド全身投与などの免疫抑制剤の使用に拒否があり,初診時の湿疹病変が残存していたことからデュピルマブ皮下注を開始し水疱と瘙痒は改善した.近年になって免疫チェックポイント阻害薬使用中に生じた水疱性類天疱瘡の報告が散見されるが,デュピルマブは治療の選択肢の1つとなりうる可能性を考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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