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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻2号

2024年02月発行

文献概要

症例報告

ホスラブコナゾールが奏効したTrichophyton interdigitaleCandida guilliermondiiCandida albicansによる混合感染の1例

著者: 大草康正1 田口良吉1 中村かおり1 福田知雄1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科

ページ範囲:P.161 - P.166

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要約 80歳,女性.初診1か月前に右頰部に淡紅色の結節性病変が出現した.近医皮膚科にて癤の疑いで抗菌薬を投与されたが軽快せず,当科を受診した.初診数日前より左頰部にも同様の結節性病変が出現し,悪性リンパ腫を疑い右頰部の皮疹より皮膚生検を施行した.組織内に菌糸様の菌要素が確認されたが,生検組織の真菌培養は陰性であった.全身を確認したところ,趾間・趾爪・指爪に真菌症を疑わせる所見が認められた.真菌培養を行ったところ,趾間・趾爪からはTrichophyton interdigitale,指爪からはCandida guilliermondiiCandida albicansが分離培養された.爪白癬に対し,ホスラブコナゾールの内服を12週間行ったところ,趾・指の爪病変,顔面皮疹のいずれもが軽快した.複数箇所の皮膚真菌症を疑わせる病変を認めた場合には,混合感染を念頭に置き,真菌感染が疑われるすべての部位から検体を採取し,原因菌を同定し,適切な抗真菌薬を検討する必要があると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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