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あとがき フリーアクセス
著者: 大山学
所属機関:
ページ範囲:P.188 - P.188
一方,医療従事者である私たちにとって,医療行為が「仕事」であり「業務」であるのも事実です.それを嫌がうえでも実感するのが,この島国で今騒がれている「医師の働き方改革」でしょう.そもそも私たちの業務は常に自発的に知識・技量をアップデートしなくては成り立つのが難しい(少なくとも第一線にはいられない)という側面があります.また,医学は先人たちの経験を後進が引き継ぎ,たゆまぬ改良を加え発展してきた学問体系です.医育なくして医学なし,研鑽なくして良医なしです.そもそも不可分のものを法規的に定義し定量せよと言われても無理があるのではと思います.もはや「医は仁術」の気概を維持するのが難しくなりつつあるようにも見えてきてしまいます.
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