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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻4号

2024年04月発行

マイオピニオン

新米教授のつぶやき—弘前より,今後の抱負として

著者: 赤坂英二郎1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科皮膚科学講座

ページ範囲:P.282 - P.283

文献概要

1. 青天の霹靂
 頭が真っ白になるということはこれまでの人生でほとんど経験したことがなかったのですが,今回はまさにそうでした.私の恩師である中野創先生の急逝の訃報が届いたのが2023年4月29日朝のことでした.2023年3月,澤村大輔先生(当時教授)が,17年の教授生活を無事全うして退職されました.教授選にはもちろん当時准教授であった中野先生が出ており,秋には中野新教授のもと当科も新たなスタートを切るのだと,私も気持ちを新たに意気込んでおりました.そんな矢先の出来事でした.あまりに突然で,私はもちろん教室全体が深い悲しみと混乱に包まれたのは言うまでもありません.教授選は再募集となり募集期間が1か月延長となりました.教授選という言葉は,自分には縁のないもので「新しい教授には誰がなるのかな?」と暢気に対岸の火事のごとく考えておりました.
 中野先生が急逝から2週間後のことです.「中野先生もいなくなってしまったし,あと5年ほど大学で勤務した後は,大学を辞めて自分のペースで残りの医師人生を送ろうかな?」などと空想を膨らませながら,私は東京で行われた国際研究皮膚科学会に参加していました.そこで澤村前教授に呼び止められました.今後のことについて色々と相談した結果,私が教授選に出ることとなりました.さらっと書きましたが,頭の中ではこの文面に書ききれないほどのものすごい葛藤がありました.自分には荷が重すぎると思いましたが,「教授に言われたことの返事は“はい”か“YES”だ」と教わってきた古い人間の私にとって,決断するのに時間はかかりませんでした.もちろん教授選の準備など全くしていませんでしたので,いろいろとあわただしい日々が続きましたが,多くの方々の多大なるご協力と温かい支えのおかげで,2023年10月1日に弘前大学大学院医学研究科皮膚科の教授に就任させていただきました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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