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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻4号

2024年04月発行

文献概要

症例報告

持続性紅斑の病理組織学的所見から診断した成人Still病の1例

著者: 執行延明1 安食さえ子1 栁澤健二1 髙橋博之1

所属機関: 1JA北海道厚生連札幌厚生病院皮膚科

ページ範囲:P.285 - P.288

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要約 70歳台,男性,高熱により近医クリニックを受診し感冒の診断で抗菌薬を処方されたが症状の改善がなかった.数日後に体動困難とショックバイタルを呈したため近医に救急搬送された.サイトカインストーム,マクロファージ活性化による多臓器不全を疑ったためステロイドパルス療法を行い,ショックバイタルからは脱した.採血にてフェリチンの高値を認めたため成人Still病を疑った.背部にびまん性の紅斑と掻破に一致するような暗赤色の線状紅斑と落屑を認め皮膚生検を行ったところ,成人Still病の持続性紅斑に特徴的な表皮角化細胞壊死を認めたため成人Still病と診断した.その後プレドニゾロンやタクロリムス,トシリズマブの全身投与など行うも効果に乏しく,入院から3か月後に死亡した.成人Still病では特異的所見が乏しいことが多く,診断に苦慮することが多い.成人Still病における持続性紅斑では病理組織に特徴的な所見を認めるため,皮膚生検を積極的に行うことが好ましい.

参考文献

1)荒井美奈子,他:日皮会誌 117 : 2471, 2007
2)芳賀恒夫,他:皮膚病診療 28 : 301, 2006
3)大田明英,他:厚生省特定疾患自己免疫疾患調査研究班,平成7年度報告書,p 160, 1996
4)Lee J Y, et al : J Am Acad Dermatol 52 : 1003, 2005
5)藤実彰一,他:成人スチル病ガイドライン2017年度版,診断と治療社,p 6, 2017
6)松本奈央子,他:皮膚病診療 36 : 135, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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