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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻4号

2024年04月発行

文献概要

症例報告

Traumatic neuromaの2例

著者: 山本ちひろ12 浦上揚介12 山本剛伸12 青山裕美2

所属機関: 1川崎医科大学総合医療センター皮膚科 2川崎医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.321 - P.327

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要約 症例1:38歳,男性.5年前より右下顎部に5 mm大の皮下硬結があり,徐々に拡大傾向だったため,当科を受診した.症例2:48歳,女性.5年前に右肩の脂肪腫摘出歴があり,手術痕外側に1 cm大の皮下結節が出現し,当科を受診した.両症例とも全摘したところ,病理組織学的に真皮内に線維性変化と神経線維束の増生,ムチンの沈着があり,traumatic neuromaと診断した.Traumatic neuromaは外傷や手術による組織の障害を受けた神経線維の反応性増殖であり,好発部位は四肢や頭頸部である.1982〜2021年の間に本邦で報告された皮膚腫瘍切除後に生じたtraumatic neuromaの13例と自験例の2例を含めた15例を解析した結果,術後から発症までの期間は1〜216か月(中央値:30か月)とさまざまで,62%が植皮部に発症しており,広範囲に及ぶ皮膚欠損部の特に中枢側に多い特徴が認められた.過去に手術した部分の近傍に皮下腫瘤が出現した場合は腫瘤の再燃や瘢痕組織,ケロイドのほか,traumatic neuromaも鑑別に挙げ,積極的切除を検討する必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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