文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024
1.最近話題の皮膚疾患
文献概要
summary
エムポックスは1970年代以降アフリカの一定地域で流行し,アフリカ以外では散発的に主に輸入感染症として発生していたが,2022年に多数の非流行国での急激な感染拡大が確認された比較的新しい感染症である.本邦では同年7月に初の感染が報告され,2023年11月までに233例の報告がある.流行のピークは2023年前半に過ぎたものの,依然として少数の感染報告が続いている.その大半は海外渡航歴のない男性患者で主な症状は皮疹であるが,従来型と感染経路や皮疹の特徴,症状の経過において相違点が指摘されている.本邦ではエムポックスは感染症法上4類感染症に指定される急性発疹性疾患で,PCR検査により確定診断される.国内における検査,感染予防対策の整備が望まれるとともにハイリスクグループへのリスクコミュニケーションが肝要である.
エムポックスは1970年代以降アフリカの一定地域で流行し,アフリカ以外では散発的に主に輸入感染症として発生していたが,2022年に多数の非流行国での急激な感染拡大が確認された比較的新しい感染症である.本邦では同年7月に初の感染が報告され,2023年11月までに233例の報告がある.流行のピークは2023年前半に過ぎたものの,依然として少数の感染報告が続いている.その大半は海外渡航歴のない男性患者で主な症状は皮疹であるが,従来型と感染経路や皮疹の特徴,症状の経過において相違点が指摘されている.本邦ではエムポックスは感染症法上4類感染症に指定される急性発疹性疾患で,PCR検査により確定診断される.国内における検査,感染予防対策の整備が望まれるとともにハイリスクグループへのリスクコミュニケーションが肝要である.
参考文献
1)Thornhill JP, et al : N Engl J Med 387 : 679, 2022.
2)https://www.cdc.gov/poxvirus/Mpox/response/2022/world-map.html
3)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/monkeypox_00001.html
4)https://www.niid.go.jp/niid/ja/monkeypox-m/2596-cepr/12016-mpox-ra-0509.html
5)von Magnus P, et al : Acta Pathol Microbiol Scand 46 : 156, 1959
6)Bryer J, et al : J Am Acad Dermatol 87 : 1069, 2022
7)Infectious Agents Surveillance Report(IASR) 44 : 200, 2023
8)江川和孝,西條政幸:化療の領域 33 : 1817, 2017
9)Patel A, et al : BMJ 378 : e072410, 2022
10)Ogoina D, et al : Clin Microbiol Infect 29 : 1493, 2023
11)土屋茉里絵,安西秀美:日皮会誌 133 : 1505, 2023
12)Auvin S, et al : Int J Dermatol 41 : 903, 2002
13)https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/mpox20230526.pdf
14)Mizushima D, et al : Emerg Infect Dis 29 : 1872, 2023
15)https://www.niid.go.jp/niid/ja/monkeypox-m/2596-cepr/12398-mpox-clade1-drc.html
16)Smith TG, et al : Emerg Infect Dis 29 : 2426, 2023
17)https://www.mhlw.go.jp/content/001183682.pdf
掲載誌情報