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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻5号

2024年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024 2.皮膚疾患の病態

角層セラミド解析によるアトピー性皮膚炎再燃予測

著者: 酒井貴史1

所属機関: 1大分大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.42 - P.46

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summary
アトピー性皮膚炎とは,繰り返す湿疹を特徴とする頻度の高い炎症性皮膚疾患である.治療の基本は,ステロイド外用剤を中心とした外用療法であり,長期寛解維持のためにプロアクティブ療法の実施が推奨されている.しかしながら日常診療において,皮疹寛解導入後にプロアクティブ療法を開始すると,皮疹が容易に再燃するケースをしばしば経験する.そして今のところ,アトピー性皮膚炎寛解導入後の皮疹再燃予測は容易ではない.そこでわれわれは,フィラグリン遺伝子変異の有無,または,角層セラミドが,アトピー性皮膚炎の再燃しやすさに関連すると仮説を立て,臨床研究を行った.その結果,プロアクティブ療法開始時(皮疹寛解時)に角層セラミドを評価することで,その後の皮疹再燃を予測しうるという結果を見出した.本稿では,われわれが近年行った臨床研究の概説と,その結果から考えられるアトピー性皮膚炎の病態やマネジメントについて考察したい.

参考文献

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13)Choi RH, et al : Nat Rev Cardiol 18 : 701, 2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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