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増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024 3.新しい検査法と診断法
重症薬疹のバイオマーカーとしてのオステオポンチン
著者: 鈴木茉莉恵12 渡辺秀晃3 猪又直子1 末木博彦4
所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学講座 2昭和大学藤が丘病院皮膚科 3昭和大学横浜市北部病院皮膚科 4学校法人昭和大学
ページ範囲:P.66 - P.70
文献購入ページに移動近年,オステオポンチン(osteopontin : OPN)の免疫調節機能が明らかにされ,自己免疫疾患やアレルギー疾患においてもその役割が明らかにされている.薬剤性過敏症症候群やStevens-Johnson症候群などの重症薬疹は生命予後を脅かす疾患であり,発症早期の正確な診断が重要である.われわれは重症薬疹を含む薬疹患者における血清OPN値を測定し,薬疹の重症度バイオマーカーとしての有用性とその産生源を明らかにすることを目的として検討を行った.その結果,重症薬疹の2病型では健常人コントロールに比し有意のOPN高値を認め,多形紅斑型薬疹との比較でも高値であった.薬剤性過敏症症候群ではOPN値は治療により健常人レベルまで低下した.皮膚生検組織でOPNを発現する炎症細胞はCD4, CD8, CD14, CD68陽性細胞であった.血清OPN値は薬疹の重症度や病勢を評価するバイオマーカーとして利用できる可能性が示唆された.
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