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増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024 3.新しい検査法と診断法
UV-A光を用いた高倍率皮膚鏡検査による疥癬の糞便の観察
著者: 藤本萌1 坂井浩志2
所属機関: 1国立病院機構大阪医療センター皮膚科 2大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学教室
ページ範囲:P.81 - P.85
文献購入ページに移動疥癬はヒト皮膚角質層に寄生するヒゼンダニの感染により発症し,ヒゼンダニの虫体,糞,脱皮殻などに対するアレルギー反応による皮膚病変と瘙痒を主症状とする感染症である.その確定診断にはヒゼンダニの検出が必要であり,顕微鏡検査やダーモスコピー検査が行われるが,虫体や虫卵,糞塊の検出に難渋する場合も経験される.今回われわれは白色光およびUVAを光源とするダーモスコピーを作成し,強拡大で疥癬患者の皮膚を同一視野で探索した.すると,UVA光源下ではヒゼンダニの糞塊が蛍光を有し明瞭に観察され,軌跡をたどると容易に虫体を確認できた.また強拡大ダーモスコピーでは,コントラストを調整することで,虫体・糞塊だけでなく,虫卵までも明らかになった.白色光・UVAを光源とする強拡大ダーモスコピーは疥癬診断に有用となる可能性が示唆された一方で,その実体顕微鏡としての利用も期待される.
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