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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻5号

2024年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024 3.新しい検査法と診断法

UV-A光を用いた高倍率皮膚鏡検査による疥癬の糞便の観察

著者: 藤本萌1 坂井浩志2

所属機関: 1国立病院機構大阪医療センター皮膚科 2大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学教室

ページ範囲:P.81 - P.85

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summary
疥癬はヒト皮膚角質層に寄生するヒゼンダニの感染により発症し,ヒゼンダニの虫体,糞,脱皮殻などに対するアレルギー反応による皮膚病変と瘙痒を主症状とする感染症である.その確定診断にはヒゼンダニの検出が必要であり,顕微鏡検査やダーモスコピー検査が行われるが,虫体や虫卵,糞塊の検出に難渋する場合も経験される.今回われわれは白色光およびUVAを光源とするダーモスコピーを作成し,強拡大で疥癬患者の皮膚を同一視野で探索した.すると,UVA光源下ではヒゼンダニの糞塊が蛍光を有し明瞭に観察され,軌跡をたどると容易に虫体を確認できた.また強拡大ダーモスコピーでは,コントラストを調整することで,虫体・糞塊だけでなく,虫卵までも明らかになった.白色光・UVAを光源とする強拡大ダーモスコピーは疥癬診断に有用となる可能性が示唆された一方で,その実体顕微鏡としての利用も期待される.

参考文献

1)和田康夫,他:疥癬ハンドブック.アトムス,37, 2016
2)Fujimoto M, et al : J Am Acad Dermatol 90 : e17, 2024
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4)石井則久,他:日皮会誌 125 : 2023, 2015
5)Engelman D, et al : Br J Dermatol 183 : 808, 2020
6)松本千夏,他:皮膚病診療 44 : 780, 2022
7)Scanni G : Trop Med Infect Dis 7 : 422, 2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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