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Derm.2024
色調について
著者: 竹内そら1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学皮膚科
ページ範囲:P.105 - P.105
文献購入ページに移動 女性患者から化粧をしたまま顔のしみの相談を受けることがある.化粧の上から診察すると灰褐色や灰青色を呈し,後天性真皮メラノサイトーシスや太田母斑かな,と予想するが化粧を落としてみると,褐色の老人性色素斑であったというパターンがある.皮膚表面の色調に薄い色のファンデーションを乗せることで真皮レベルの色素斑のように見えているのである.白く塗り重ねたくなるのであろうが,隠すための化粧が逆効果でグレー調になって強調されているのである.色の勉強をしてみると,色相環の反対側にある補色を意識して色を選ぶと良いらしい.補色を乗せることで光は無色化するそうである.赤は緑,黄色は紫,青は橙色である.茶色は橙色の低明度・彩度の色であるが,青を乗せると暗くなるためオレンジ系の色を乗せるといいそうだ.新生児期にはあざが目立たないのは補色の効果もあるのかな,など患者さんの色調について色々考える.医学から少し離れたところを学んでみると,これまでの視点が変わるので面白い.
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