文献詳細
文献概要
増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024 4.皮膚疾患治療のポイント
原発性手掌多汗症とオキシブチニン塩酸塩
著者: 藤本智子1
所属機関: 1池袋西口ふくろう皮膚科クリニック
ページ範囲:P.127 - P.131
文献購入ページに移動summary
原発性手掌多汗症の有病率は5.33%と決して稀ではない疾患であるが,長らく簡便な治療薬がなかったため医療機関での治療が普及していなかった.2023年3月に承認され,6月より発売された抗コリン作用をもつオキシブチニン塩酸塩の外用剤(アポハイド®ローション20%)は,全身的な副作用を軽減しつつも局所の発汗を抑制するというデータが,国内第Ⅲ相試験において証明された,本邦では外用抗コリン薬としては第3の製品である.ここへきて,原発性局所多汗症治療薬に保険適用の抗コリン薬が揃ったことに伴い,さまざまな部位の多汗症の治療が可能となったが,一方で同一患者で複数の多汗部位を併発する場合の同時使用の副作用マネジメントや,多汗症疾患は若い年齢層が多いことから,長期使用なども今後の課題と言える.
原発性手掌多汗症の有病率は5.33%と決して稀ではない疾患であるが,長らく簡便な治療薬がなかったため医療機関での治療が普及していなかった.2023年3月に承認され,6月より発売された抗コリン作用をもつオキシブチニン塩酸塩の外用剤(アポハイド®ローション20%)は,全身的な副作用を軽減しつつも局所の発汗を抑制するというデータが,国内第Ⅲ相試験において証明された,本邦では外用抗コリン薬としては第3の製品である.ここへきて,原発性局所多汗症治療薬に保険適用の抗コリン薬が揃ったことに伴い,さまざまな部位の多汗症の治療が可能となったが,一方で同一患者で複数の多汗部位を併発する場合の同時使用の副作用マネジメントや,多汗症疾患は若い年齢層が多いことから,長期使用なども今後の課題と言える.
参考文献
1)Kurata R, et al : PLoS ONE 12 : e0178709, 2017
2)Fujimoto T, et al : J Am Acad Derm 89 : 62, 2023
3)Fujimoto T, et al : J Dermatol, 2023 doi: 10.1111/1346-8138.16922. Online ahead of print.
4)原発性局所多汗症診療ガイドライン策定委員会:日皮会誌:133, 3025, 2023
掲載誌情報