文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024
4.皮膚疾患治療のポイント
再発性単純ヘルペスのアメナメビルによるpatient initiated therapy
著者: 今福信一1
所属機関: 1福岡大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.137 - P.140
文献概要
再発性単純ヘルペスには,主に口唇ヘルペス,性器ヘルペスがあり,一般に軽症であるものの繰り返す発症は生活の質を落としてしまう.多くの患者は,再発前に前駆症状としてピリピリとした痛みを自覚する.単純ヘルペスには有効な抗ウイルス薬が既に複数あるが,有効に使うポイントは早期の治療開始であり,この前駆症状の段階で治療を開始することで,病悩期間を短くすることができる.アメナメビル(アメナリーフ®)は,既に帯状疱疹に保険適用されている抗ヘルペスウイルス薬であるが,新たに単純ヘルペスにも保険適用された.ただし単純ヘルペスに対しては,帯状疱疹やこれまでの治療薬と異なり患者が予め処方された治療薬を自分で服薬開始するpatient initiated therapy(PIT)という用法用量のみで承認されている.アメナメビルのPITは1回のみの投与で終了する点で,利便性の大幅な向上が期待される.単純ヘルペスの病態,診断とアメナメビルの新たな使用法について概説する.
参考文献
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