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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻5号

2024年04月発行

増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024

5.皮膚科医のための臨床トピックス

香粧品による皮膚トラブルのサインと対処法

著者: 矢上晶子1

所属機関: 1藤田医科大学ばんたね病院総合アレルギー科

ページ範囲:P.148 - P.150

文献概要

summary
香料や化粧品,ヘアカラー製品などの香粧品はわれわれの日常生活を楽しむ上でなくてはならない.一方,本邦ではそれらの香粧品により,刺激性,アレルギー性接触皮膚炎のみならず,美白化粧品による脱色素斑や加水分解コムギ末含有石鹸やコチニール色素含有メイクアップ製品による経皮感作により誘発された食物アレルギーなどさまざまな皮膚障害事例が報告されてきた.これらの事例を振り返ると,新しい成分および製品の開発や消費者のニーズの変遷により,その時代ごとに特徴ある皮膚障害事例が発生してきたと言えよう.本稿では皮膚科医が知っておきたい香粧品による皮膚障害事例を挙げ,その臨床的特徴や原因成分の同定に必要な皮膚テストや血清学的検査法,また,原因成分について述べた.これら香粧品による予期しない皮膚障害事例に最も早く遭遇するのは皮膚科医であり,常に患者の訴えに耳を傾け,「もしかして」という視点を持って日常診療にあたりたい.

参考文献

1)Ito A, et al : Contact Dermatitis 77 : 42, 2017
2)Aerts O, et al : Contact Dermatitis 71 : 41, 2014
3)日本アレルギー学会「皮膚テストの手引き」作成委員会:皮膚テストの手引き 2021
4)錦織千佳子,他:日皮会誌 124 : 285, 2014
5)Yagami A, et al : J Allergy Clin Immunol 140 : 879, 2017
6)Takeo N, et al : Allergol Int 67 : 496, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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