文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024
5.皮膚科医のための臨床トピックス
Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症の予後とCRISTEN(clinical risk score for toxic epidermal necrolysis)
著者: 濱菜摘1
所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科
ページ範囲:P.155 - P.158
文献概要
重症薬疹であるStevens-Johnson症候群(Stevens-Johnson syndrome : SJS)/中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis : TEN)の本邦の死亡率は近年も高い.早期診断と予後予測による適切な治療が必要である.既存の予後予測スコアであるSCORTENは血液ガス測定を含めた変動しやすい指標から構成されており実臨床で使用しにくい側面がある.一方,最近本邦のSJS/TEN全国調査の結果をもとに作成されたCRISTENは年齢,表皮剝離面積,悪性腫瘍の合併,糖尿病,腎機能障害,細菌感染症,心疾患,薬疹の原因薬としての抗菌薬の使用,眼・口・陰部3部位すべての粘膜障害,ステロイド全身投与治療歴といった臨床所見および既往歴からのみなる10項目で構成されている.さらにCRISTENは本邦症例のみならず国際検証でも高い精度で有用性が確認されており,今後の実臨床への応用が望まれるスコアである.
参考文献
掲載誌情報