icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻5号

2024年04月発行

増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024

5.皮膚科医のための臨床トピックス

白斑の新しい治療

著者: 川上民裕1

所属機関: 1東北医科薬科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.169 - P.172

文献概要

summary
白斑治療が,劇的に変貌するかもしれない.ヤヌスキナーゼ(Janus kinase : JAK)阻害薬である.難治性の白斑に,本邦でも使用される可能性が高いルキソリチニブクリームとリトレシチニブ内服について記載する.それぞれの臨床治験データを提示して解説する.ルキソリチニブクリームは,米国食品医薬品局が2022年承認している.第24週における顔面の白斑面積スコア指標(F-VASI)のF-VASI 75は,ルキソリチニブクリーム群で30%に対して基剤(プラセボ)群は10%であった(p<0.001).リトレシチニブ内服試験では,活動性のある非分節性白斑のみを対象とした.24週間投与でのF-VASI 75は,200/50 mg群,100/50 mg群,50 mg群は,p<0.001で有意差をもって偽薬より効果を示した.30 mg群も効果はあったが,p=0.01であった.10 mg群では偽薬との有意差はなかった.白斑の外科的治療では,自家非培養皮膚移植法の自家表皮細胞懸濁液移植キット,自家培養皮膚移植法のより白斑に特化した自家培養表皮が注目されている.

参考文献

1)Hamzavi I, et al. Arch Dermatol 140 : 677, 2004.
2)Rosmarin D, et al. N Engl J Med 387 : 1445, 2022.
3)Rosmarin D, et al. Lancet 396 : 110, 2020
4)Hamzavi I, et al. J Am Acad Dermatol 86 : 1398, 2021.
5)Ezzedine K, et al. J Am Acad Dermatol 88 : 395, 2023.
6)van Geel N, et al. J Eur Acad Dermatol Venereol 33 : 1667, 2019.
7)Delbaere L, et al. Exp Dermatol 2023 doi: 10.1111/exd.14975

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら