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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻6号

2024年05月発行

文献概要

症例報告

反復する発熱を伴ったrheumatoid nodulosisの1例

著者: 島本佳保1 楠谷尚2 加藤麻衣子3 星田義彦4

所属機関: 1市立柏原病院皮膚科 2大阪市立総合医療センター皮膚科 3大阪南医療センター皮膚科 4大阪南医療センター病理診断科

ページ範囲:P.387 - P.391

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要約 78歳,男性.数年前から四肢に無症候性の多発皮下結節が出現した.3年前から2,3か月に1回,38〜39 ℃台の反復する発熱があった.発熱,悪寒,倦怠感に対して内科を受診した際に,皮膚症状に対して皮膚科を紹介され受診した.受診時,両手指,肘,足趾に数cm大の弾性軟の皮下結節がみられた.リウマチ因子は陽性だったが,手・足部の画像検査で異常所見はなく,関節リウマチは否定的だった.確定診断目的に皮下結節の切除生検を施行し,臨床症状と病理組織像で肉芽腫性変化を認めたことからrheumatoid nodulosisと診断した.対症療法のみで解熱し,結節は積極的な治療希望なく経過観察となった.Rheumatoid nodulosisとして発症時にはリウマチ因子陰性で関節症状がなかったが後にRAに移行した症例も報告されており,定期的なフォローや全身評価とともに他科との連携が必要になる.

参考文献

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8)菅野恭子,他:皮膚臨床 46 : 493, 2004
9)McCarty DJ : J Rheumatol 18 : 736, 1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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