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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻6号

2024年05月発行

文献概要

症例報告

筋周皮腫の2例

著者: 石﨑真由1 内山明彦1 齋藤晋太郎1 藤原千紗子1 栗山裕子1 遠藤雪恵1 渋沢弥生1 安田正人1 茂木精一郎1

所属機関: 1群馬大学医学部附属病院皮膚科

ページ範囲:P.393 - P.399

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要約 症例1:43歳,男性.約10年前に右膝内側にしこりが出現し,徐々に増大した.初診時,右膝関節内側に約1 cm大,弾性軟の皮下結節あり.自発痛や圧痛なし.脂肪腫を疑い,局所麻酔下に切除した.症例2:83歳,女性.約15年前に右第1指に米粒大の結節が出現し,徐々に増大した.初診時,右第1指後爪郭部に24×18 mmの弾性軟の暗褐色の腫瘤あり.自発痛や圧痛なし.海綿状血管腫を疑い局所麻酔下に切除した.いずれも病理組織学的に血管周囲に異型に乏しい核と好酸性の細胞質をもつ紡錘形腫瘍細胞が多層性に同心円状に増殖し,血管周皮腫様配列がみられた.免疫組織学的に腫瘍細胞はαSMA陽性,H-カルデスモン陽性,デスミンは一部に陽性,CD34陰性であり,筋周皮腫と診断した.筋周皮腫には疼痛を伴わない例や血管腫様を呈する例もあり,病理組織学的検索が重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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