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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻6号

2024年05月発行

文献概要

症例報告

咽頭症状を契機に下咽頭浸潤が発見された菌状息肉症の1例

著者: 齋川真子1 金子高英1 宮田彩可1 髙森建二1 中山拓己2 肥後隆三郎2 須賀康1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科 2順天堂大学医学部附属浦安病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.411 - P.418

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要約 46歳,男性.約20年前に軀幹より生じた紅斑が全身に拡大していたが,放置していた.数か月前より左腰部に表面に潰瘍を伴う腫瘤が出現.前医を受診し,精査加療目的に当科紹介となった.皮膚病理所見では,表皮から真皮にかけてCD4陽性異型リンパ球が稠密に浸潤していた.画像検査にて内臓病変を認めなかったため,菌状息肉症(mycosis fungoides : MF)のⅡB期(T3N0M0)と診断.ベキサロテン導入,局所放射線照射目的で入院となった.直前に咽頭の違和感を自覚し,その後,咽頭痛,湿性咳嗽が悪化.喉頭内視鏡所見にて左披裂部に白色腫瘤を認め,生検の結果,MFの下咽頭浸潤と診断した.ⅣB期(T3N0M1)と病期診断を変更し,ベキサロテン中止,CHOP療法を開始した.その後同種造血幹細胞移植のため転院となった.嚥下障害など重篤な症状でなくとも,軽微な咽頭症状がMFの咽頭浸潤の初期症状であることもあり,MFに咽頭症状がみられた際には,咽頭浸潤の可能性も想起すべきである.

参考文献

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10)楠目エマ,他:Skin Cancer 34 : 17, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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