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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻6号

2024年05月発行

文献概要

症例報告

パンツ型紅斑を呈した蜂窩織炎の3例

著者: 岡本修1 稲垣伸洋2 葛城功3 山末象三4 鴛海太郎5 宗元碩哲6 橋本裕之6

所属機関: 1大分市医師会立アルメイダ病院皮膚科 2大分市医師会立アルメイダ病院救急科 3大分市医師会立アルメイダ病院内分泌内科 4大分市医師会立アルメイダ病院循環器内科 5大分市医師会立アルメイダ病院総合診療科 6大分市医師会立アルメイダ病院形成外科

ページ範囲:P.427 - P.433

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要約 パンツ型紅斑を呈した蜂窩織炎の3例を報告する.症例1:45歳,男性.腰部,大腿の全周性の紅斑で,CRPは最高40.68 mg/dlに達した.約1年後に同一部位に同様の紅斑が出現した.症例2:78歳,男性.下腹部,腰部,大腿の点状紫斑を伴った紅斑で,心不全,敗血症,播種性血管内凝固症候群を伴い,集中治療を要した.症例3:54歳,男性.下腹部,両側臀部,大腿の紅斑で,抗菌薬の点滴で皮疹は2週間で軽快した.パンツ型の蜂窩織炎は腰部の両側性蜂窩織炎で,パンツを着用したような特異な分布を示すとともに希少例でもあるため,これを蜂窩織炎と診断するためには少なからず経験と考慮が必要と感じられる.このため「パンツ型蜂窩織炎」というキーワードがあれば診断に役立つと考え,診療情報の提供目的で報告した.

参考文献

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10)岡本 修,他:西日皮膚 80 : 231, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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