icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻6号

2024年05月発行

文献概要

症例報告

21個のスキンステイプラーの遺残に対して摘出術を行った1例

著者: 井手豪俊1 永井貴子1 田中宏治1 塩道泰子1

所属機関: 1飯塚病院皮膚科

ページ範囲:P.441 - P.444

文献購入ページに移動
要約 55歳,男性.初診の3か月前に前医により外陰部の乳房外Paget病に対して皮膚悪性腫瘍切除術と分層植皮術を施行された.股関節痛のために受診した近医の整形外科で単純X線を撮影されたが,同部位に多数の金属片が存在することを指摘されて当科の受診に至った.当科で改めて単純X線撮影したところ,21個のスキンステイプラーの遺残を確認した.全身麻酔下にすべてのスキンステイプラーの除去を試みたが,複数方向の単純X線撮影や超音波検査のみでは部位の同定が困難であり,術中X線透視下で探りながら同定して除去した.スキンステイプラーは植皮片の縫着時の時間短縮に有用だが,一方で埋没してしまう可能性をはらむ.スキンステイプラーの埋没を防ぐためには,術後に適宜単純X線撮影を行って確認することが有効であり,また埋没してしまった場合にはX線透視を用いることによってその部位の同定が容易になる可能性がある.

参考文献

1)笹壁弘嗣:medicina 45 : 196, 2008
2)井内和博,他:手術 36 : 1339, 1982
3)Gelb J : Plast Reconstr Surg 32 : 464, 1963
4)右田 尚,他:日形会誌 26 : 821, 2006
5)古田文隆,黒木和明:熱傷 20 : 100, 1994
6)山田直人,他:日形会誌 10 : 323, 1990
7)加部幸子,他:臨皮 76 : 767, 2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?