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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻7号

2024年06月発行

文献概要

症例報告

結節性硬化症と関節リウマチを合併した1例

著者: 酒井伽奈1 川口亜美1 田中美奈子1 上中智香子1 山本有紀1 神人正寿1 岩橋吉史23

所属機関: 1和歌山県立医科大学皮膚科 2和歌山県立医科大学人体病理学教室 3和歌山県立医科大学病理診断科

ページ範囲:P.523 - P.526

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要約 40歳台,女性.小学生時に結節性硬化症と診断され,46歳時より関節リウマチと診断され,メトトレキサートを開始した.48歳時に両足趾爪下に多発する皮膚結節について手術を希望され,受診した.約4か月後に,最も大きい左第5足趾皮膚結節の全切除術を施行した.結節性硬化症と関節リウマチの合併例は2001〜2023年の範囲内では,今回が初の報告となる.両者の関係性について,自験例ではKoenen腫瘍の増大と関節リウマチの臨床経過が関連していたことより,CD8陽性T細胞におけるmTOR(mechanistic target of rapamycin)の活性化により,関節リウマチの病勢の悪化やKoenen腫瘍の増大をきたした可能性があると考えた.

参考文献

1)金田眞理:遺伝子医学 9 : 96, 2019
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5)Zhang M, et al : Rheumatology(Oxford) 61 : 3010, 2022
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8)Al Omran B & Ansari N : Oman Med J 31 : 223, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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