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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科78巻9号

2024年08月発行

文献概要

症例報告

改変Mohsペーストと放射線療法を併用した手術非適応皮膚悪性腫瘍の3例

著者: 後藤真紀1 三浦慎平1 渡辺彩乃1 天野博雄1 二瓶哲2 工藤賢三2

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学講座 2岩手医科大学附属病院薬剤部

ページ範囲:P.667 - P.672

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要約 症例1:47歳,男性.右踵部に小児頭大の腫瘤があり当科を紹介され受診した.精査を行い悪性黒色腫,Stage Ⅳの診断となった.症例2:88歳,男性.右耳介の有棘細胞癌に対し全摘術を行った.術後同部位に手拳大の紅色腫瘤が再発した.症例3:92歳,女性.右頰部に紅色腫瘤があり当科を受診した.Merkel細胞癌の診断で摘出したが,術後同部位に腫瘍が再発し顔面半分を覆った.いずれの症例も再手術は選択できず,放射線療法に加え改変Mohsペーストを使用した.腫瘍の縮小に加えて,出血や壊死,悪臭の制御をすることで治療初期からQOLの向上を図ることができた.昨今,高齢化が進んでおり,手術非適応の皮膚悪性腫瘍の症例が増えている中で,侵襲も少なく容易に導入できるMohsペーストと放射線治療の併用は緩和治療として有用であると考える.ただし,その報告は少なく,効果や安全性について症例の蓄積が必要である.

参考文献

1)佐藤淳也,他:日緩和医療薬誌 9 : 11, 2016
2)佐藤淳也,他:日緩和医療薬誌 14 : 105, 2021
3)村田光麻,他:皮の科 10 : 407, 2011
4)辻 香織,他:皮膚臨床 60 : 545, 2018
5)増井由紀子,他:Skin Cancer 26 : 311, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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