文献詳細
文献概要
正常値
日本人の標準体重
著者: 萩島武夫1
所属機関: 1厚生省栄養課
ページ範囲:P.231 - P.233
文献購入ページに移動日本人の将来の体位
昭和36年4月栄養審議会は厚生大臣の諮問に答え,昭和45年度における国民の性別,年齢別,身長および体重の推定値を発表したが,これによると,昭和35年度以後も体位は上昇し特に思春期ではここ10年間に約1歳分の発育伸展がみられるとの予想である(表1参照)。たとえば,35年度男子17歳の身長は163.2cm,体重は54.9kgであるが,昭和45年には16歳ですでに,身長164.0cm,体重は55.1kgになっている。つまりこれは現在の17歳の体位を16歳で上廻ることになり,日本人の体位も次第に大型化することが予想されるためである。
栄養審議会が推定した根拠を簡単に示すとおよそ次のとおりである。つまり日本人の将来の体位はどうなるかという基本的な問題については,日本人としての遺伝学的限界の程度や生活様式の変遷などの諸因子も関連して栄養と体位についても明確になしえない点が多いので,これら体位に影響するいろいろな因子は,過去からの体位の変化の中に含まれているという考え方に立つている。すなわち,将来これらの因子のいずれかが大きな変化を示す可能性がない限り,過去の傾向がそのまま将来にも及ぶとみなして,過去の成績を根拠に10年後を推定する方法をとっている。
昭和36年4月栄養審議会は厚生大臣の諮問に答え,昭和45年度における国民の性別,年齢別,身長および体重の推定値を発表したが,これによると,昭和35年度以後も体位は上昇し特に思春期ではここ10年間に約1歳分の発育伸展がみられるとの予想である(表1参照)。たとえば,35年度男子17歳の身長は163.2cm,体重は54.9kgであるが,昭和45年には16歳ですでに,身長164.0cm,体重は55.1kgになっている。つまりこれは現在の17歳の体位を16歳で上廻ることになり,日本人の体位も次第に大型化することが予想されるためである。
栄養審議会が推定した根拠を簡単に示すとおよそ次のとおりである。つまり日本人の将来の体位はどうなるかという基本的な問題については,日本人としての遺伝学的限界の程度や生活様式の変遷などの諸因子も関連して栄養と体位についても明確になしえない点が多いので,これら体位に影響するいろいろな因子は,過去からの体位の変化の中に含まれているという考え方に立つている。すなわち,将来これらの因子のいずれかが大きな変化を示す可能性がない限り,過去の傾向がそのまま将来にも及ぶとみなして,過去の成績を根拠に10年後を推定する方法をとっている。
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