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文献詳細

雑誌文献

medicina1巻4号

1964年07月発行

診断のポイント

肺高血圧症

著者: 友松達弥1

所属機関: 1神戸医大内科

ページ範囲:P.534 - P.536

文献概要

明らかな原因
 肺高血圧症はそれ自体特異の症状が乏しい。あたかも高血圧症が多くは無自覚に経過して,たまたま血圧の測定によつて発見されるように,とくに軽症ないし中等症の肺高血圧においてそうである。高血圧症においては頭痛を初めとする神経性,心因性の諸症状がしばしば見られるが,血圧の測定が診断を決定する。さらに高血圧をきたす原因疾患のあるときはそのための異常所見が,また高血圧が持続しかつ高度であるときはそれに伴う所見の発現によつて血圧の測定をまたず,高血圧の存在がわかることもある。肺高血圧症においても事情はきわめて類似している。肺高血圧症においては本態性高血圧のごとき原因不明の原発性肺高血圧症の頻度はきわめて低く,したがつて原因の明らかなものが多いのである。肺高血圧が高度になると運動時のsyncope,あるいは狭心様症状が一つの特異な症状ではあるが,それよりもしばしば原因疾患による症状が前景となつていて,これによつて肺高血圧症の存在が推知できる。ただし正確には心臓カテーテル法によつて肺動脈圧を測定すべきである。しかし本法の適用もおのずと制約がある以上,前記のごとく原因疾患の確定がより大切なapproachである。
 肺動脈圧亢進は主としてつぎの三つの条件下に起こる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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